西武外崎修汰内野手(28)が、アップルパンチをあえて“封印”する。24日、埼玉・所沢で自主トレを行い、マシン打撃では低い弾道で繰り返し打ち返した。

外崎は「まずは低く強い打球を意識して取り組みたい。ホームランはまったく狙わない。周りからはそれ(本塁打)を求められると思うけど、あまり意識したくはない」と、持ち前のパンチ力でスタンドへ運ぶ大きな当たりを狙わず、低空飛行で守備の間を射抜く。

1年間苦しみ悩み続けた結果、導き出した答えだった。昨季打率2割4分7厘にとどまる中で「調子が上がってヒットが出るようになったとき思ったのが、強くて低い打球打てばヒットになる確率が高い」と改善を目指す。1月は愛媛・今治での自主トレで、楽天浅村への打撃投手を務めながら「ストライクに投げるというより、ここの球どうやって打つのかと自分で投げて見ていた」と吸収し、打撃の幅を広げた。

本塁打後のパフォーマンス「アップルパンチ」は減るかもしれないが、新アップルハウスは完成した。青森・弘前でりんご園を営む実家を立て直し完成した。プロ入り当初から目標の1つだった親孝行。今夏は1年延期した五輪もある。「昨年の成績で出られると思ってない。1つチャンスをもらえた」。実家の次は打撃を立て直し、五輪出場で親孝行する。【栗田成芳】