大山さんに挑戦状!? 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が30日、シートノックに参加し、プロで初めて本職の三塁を守った。沖縄・宜野座での前乗り合同自主トレ最終日は、まずは外野で打球捕。その後は、大学時代から使用していた楽天藤田モデルの三塁グラブに持ち替えた。向かった先のサードには4番大山。ドラフト1位で入団した大砲コンビが、グラウンドで初めて接近し、談笑する場面もあった。

佐藤輝 優しくてしゃべりやすいです。このキャンプでいろいろな先輩とコミュニケーションを取って、吸収していきたいです。

初めて大山と同ポジションでノックを受け、ほおを緩めた。昨季、本塁打と打点でリーグ2冠を争った先輩は、これ以上にないお手本。ただ、プロである以上、ポジションを争うライバルにもなってくる。

矢野監督は外野起用が基本線と明言しているが、佐藤輝は沖縄に一塁用、三塁用、外野用の3種のグラブを持参。大山のほかに三塁を守るマルテの来日が遅れたことや、他の内野手から故障者が出たときなど、チームの有事に対応できる姿勢を見せている。「まだ準備段階なので、ここからしっかりやっていけばいいかなと思います」。大山という不動の4番がいながらこの日、自らの意思で本職の三塁を守ったのも、どん欲な意気込みの表れだろう。

フリー打撃では連日の怪力自慢を発揮した。38スイングし、2度の2連発を含む7本の柵越えを披露。参加野手18人の中での7発は大山の3発を差し置き、チーム最多だった。前日はバックスクリーン直撃の特大140メートル弾を含む4発を放ち、高山に「エグい」と言わしめた。そしてこの日は、小嶋打撃投手を真っ青にさせた。「打球めっちゃ速いし、投げてて怖いっす。遠くに飛ばすし、打球も速いし、スイングも速い」。投手返しが直撃でもしたら一大事。その道の専門家をビビらせたのだから、やはり規格外の新人だ。

だが、佐藤輝本人は満足していなかった。「まだまだなので、しっかり確率よく打てれるようにやっていきたい」。明日2月1日、いよいよキャンプイン。そして4日には紅白戦デビューが待っている。【只松憲】

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