広島九里亜蓮投手(29)が4日、沖縄・コザしんきんスタジアムでの春季キャンプ2度目のブルペン投球で、プロ入り後自己最多となる347球の大熱投を繰り広げた。第1クールで投げた球数は、チームトップを独走する467球。キャンプでは00年の佐々岡監督の現役時代の333球、02年黒田博樹氏の343球を超えた。チームはこの日で第1クールを終了。5日の休日を挟み、6日から第2クールが始まる。

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九里は347球目となる直球をブルペン捕手のミットにズバッと決めると、帽子を取って深々と頭を下げた。「ありがとうございました」。約2時間、首脳陣、報道陣の視線を独占した“九里劇場”を終え、充実の表情でブルペンを後にした。キャンプ前から投げ込みを想定していたという右腕は「しっかりと投げられてよかった。準備してやってきたので、イメージ通り」と胸を張った。

カープ歴代の好投手を上回った。佐々岡監督は現役時代の01年キャンプでは330球を投げ、02年には黒田博樹氏が343球を投げ込んだ。九里は「佐々岡監督、黒田さんも先発完投する投手は、キャンプで球数を投げるイメージがあった。疲れてもしっかり強い球を投げられるようにするには、球数を投げて体に覚えさせるしかないので」と意図を明かした。昨季は2完投で終わった。さらなるレベルアップへ自身でノルマを課し、近年では異例の球数を積み重ねた。

ただ数を投げ込んだだけではない。直球を中心にカーブやチェンジアップを織り交ぜながら、1球1球決めたコースに投げ分けた。途中からは打席に打者を立たせ、カウントを想定しながら内外の低めに丁寧に球を集めた。自身も練習で球数を投げ込んできた指揮官は「1球目から最後の347球目まで投げ切って素晴らしいブルペンだった。いろんなこと考えながら取り組む姿勢というのは評価したい。無駄じゃない」と褒めた。

大瀬良、森下らと争う開幕戦の舞台へ、着実に歩みを続ける。「自分のできることをやった上で、開幕投手として投げられるように、しっかりとやっていきたい」。亜大時代には「400球超えとか全然ありました」と言ってのけるタフネス右腕が、今季にかける思いを胸に、懸命に腕を振り続ける。【古財稜明】