ソフトバンク甲斐拓也捕手(28)が、亡き恩人に日本シリーズ5連覇を誓った。南海ホークスが生んだ名将、野村克也氏の命日の11日、天国の名捕手を思い「背番号19に恥じない姿を見せたいし、また日本一になりたい」と明かした。野村氏が残した「功は人に譲れ」「無視、称賛、非難」の言葉を胸に刻み、今年もチームを頂点に導く。
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思いの強さからか、甲斐は1つ1つの言葉を選ぶように、口を開いた。故野村氏について聞かれた時だった。
甲斐 昨年は、いろいろあった1年だった。1年前の今日、訃報を知った時はショックだった。たくさんアドバイスをもらって話をしてくれた。昨年はリーグ優勝、日本一になれたが、まだまだ優勝、日本一を目指さないといけない。恥ずかしくない姿を見せていきたい。
代名詞だった背番号19を譲り受けて最初のシーズンだった昨年のキャンプ中の2月11日、野村氏は死去した。ショックを受けながらも2日後の紅白戦で惜別のチーム1号を放ち、活躍を誓った。「功は人に譲れ」。生前の野村氏にこの言葉をもらい、捕手としての「柱」にして常勝軍団の扇の要に座ってきた。「そこはしっかり変わらずにやってきた」。野村氏の教えを貫き、リーグ優勝と日本シリーズ4連覇を成し遂げた。
昨シーズン中に、リード面でくじけそうになったことがあった。「野村さんが言われていた言葉に『無視、称賛、非難』の3段階がある。その非難のところで、僕もいろいろありましたが、城島さんから『そこまでの段階まで来てるということだ』と言ってもらえた」。野村氏の教えを思い出し、城島球団会長付特別アドバイザーからの助言で救われたことがあった。階段を上り、壁にぶつかりながらも、野村氏の言葉を思い出し、成長につなげてきた。
この日のシート打撃では2打席無安打。まだ結果は出ていないが、連日、小久保ヘッドコーチから打撃指導も受けている。「守備も大事だが、チームが勝つためには自分が打てないといけない」。譲り受けた19番を背に、甲斐が名捕手への階段をまた1歩上る。【浦田由紀夫】



