日本ハム吉田輝星投手(20)が楽天田中将が投げたマウンドに“潜入”した。楽しみにしていた先発での投げ合い。1回表。まずは三塁側ベンチ前でキャッチボールをしながら、あこがれの投手の一挙手一投足にくぎ付けとなった。

吉田 テレビで見るよりも投げ方が、すごいきれいだった。(上半身が前後に)傾きも全くないので、違う方向に動くことがない。(左足の)踏み出しもしっかりホームベース方向へ爪先が向いていたり。参考にしたいなと思った。

凜(りん)とした立ち姿から、ブレずに無駄な動作が全くない投球フォームに「僕は、めちゃくちゃ好きなフォーム」と感嘆した。1回裏。マウンドへ向かうと、すごさを実感した。

吉田 プレート側のマウンドが、めちゃくちゃ削れていた。しっかり蹴っている証拠。(田中将はプレートの)一塁側で投げていましたけど、僕は三塁側で投げる。調子が悪い時にプレートの位置をずらすことなど何かあるかもしれない。生で見られてよかった。

投げる前から収穫いっぱいのマウンドでは、現在の課題も見つめ直した。「フォームを気にして、崩れないような投げ方をしていて、まだ全力で腕は振れていない。それはキャンプの最後までに、しっかりと。低めには集まっているので、あとは力を入れるだけ」。今季初の対外試合登板は直球やカットボールに手応えも得ながら、3回4安打1失点でまとめた。

吉田は開幕ローテ入りが当面の目標だが、その先の新たな目標もできた。「僕もローテに入って調子が保てれば、いつか投げ合う機会はあるかなと思う。その時は自分の投球がしっかりできるようにしたい」。田中将と話すことはできなかったが、目の前で見たすべてが刺激的で本能をくすぐられた。【木下大輔】