俺が村上だ! ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、楽天田中将と初対戦。一振りで名刺代わりの一打を放った。

1回1死一、二塁。「迫力があるというか、近く見えた」と話す日米通算177勝の威圧感をはねのけるかのように、鋭い眼光で打席に立ち続けた。初球、内角低めの変化球を威風堂々と見逃し。立ち合い負けせず、バチバチとした緊張感を漂わせた。3-1と打者有利とし、5球目で初めてスイング。148キロの直球を仕留め、右前への先制打とした。

直接対決で強い印象を与えた。田中将に「際どいところをいい形で見逃していた。率も残せるし長打も打てるということで、いいバッターなのかなと思った」と言わしめた。

昨季までヤンキースの主戦で活躍した大投手からの一打。高卒4年目、喜んでもおかしくない。それでも直後に二盗を決めるなど、したたかだった。「力んでしまった。もっとちゃんとした打球が打てたかなと思っています」。相手が誰であろうと、自分の打撃に徹する。

打撃タイトル獲得に向け、黙々とバットを振り込む毎日。マー君との対戦も目標達成への過程の1つ。「すごくいい刺激になった。僕ももっともっと高みを目指したい」。貴重な経験を糧に、4番としてチームを優勝へ導く。【湯本勝大】