「超積極的リードオフマン」が、迷わず初球を振り抜いた。

2点リードの4回2死一、三塁で打席を迎えた巨人梶谷隆幸外野手(32)が、広島矢崎の直球にややタイミングを外されながらも巧みに体を回転させ、右前適時打とした。対外試合2戦連続のマルチ安打。絶好調かと思いきや「変だなと思うことはそんなにないけど、完全にはまっている感じはない」と調整段階をアピールした。

ぜいたくな悩みをこぼした。対外試合で放った4安打は全て1ストライクまでの若いカウント。昨季、同条件で打率4割1分5厘をマークした男が本領発揮しているように見える。「『追い込まれてから逆方向に』という練習をしているので、追い込まれてからの打席が欲しいといえば欲しい」と吐露。S班那覇キャンプ初日、6日の練習では、中堅から左方向の打球が全体の8割を超えた。練習では常に左方向への打球を意識しているが、実戦では追い込まれる前に安打を放つため、練習試合6打席で左方向への打球は1球しかない。

キャンプも28日で最終日を迎える。ラストゲームは古巣DeNAとの一戦で、3月26日の開幕戦(東京ドーム)と同カード。「チームがどうこういうのはなくて、シーズンに入った時につながるような打席にしたい。試合で自分がどのような目標を持って取り組むかだけです」とキッパリ。恐怖の切り込み隊長が、どんどん相手に切りかかる。【久永壮真】

▽巨人原監督(梶谷について) 何番でも打てる。ただ、昨年の中で1番、5番はウイークポイントであったのは間違いない。それを埋めてくれる力は十分あるなという感じはします。