日本ハムのドラフト5位根本悠楓投手(17)が3月中の実戦デビューへ向けて、北の大地で気合を再注入した。1日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷から一時帰省して苫小牧中央の卒業式に出席した。初の春季キャンプを順調に過ごし、デビュー戦も近づく道産子左腕は同級生との再会につかの間のリフレッシュ。母校への恩返しとして打撃マシンの寄贈と1軍での活躍を誓った。

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卒業式で同校初の「特別功労賞」を受賞した根本は終始、笑みが絶えなかった。「久しぶりに帰ってきて、みんなと会えて、やっぱり楽しい」。野球部の仲間や同級生からは、次々と日焼けした顔をイジられた。2月は沖縄・国頭の2軍キャンプを大きなアクシデントもなく完走。今後の調整も順調なら「3月中には、いけるんじゃないかと思います」と実戦デビューへ着実に段階を踏んできた。

充実の船出ができたからこそ、1泊2日の弾丸帰省ながら最高のリフレッシュにもなった。「やっぱ、家は落ち着きますね」と実家では両親とも約2カ月ぶりに再会。3年間、白老町から通い続けた母校で交わした何げない会話は、何にも代え難い活力にもなる。「北海道の空気を感じられたので、もう1回気合を入れて頑張ろうかなと思います」と近づく初実戦への気持ちも高ぶらせた。

恩師の渡辺監督との再会も今後への励みとなった。「いろんなことを教えてもらった。一番は人間性の大事さを学んだ」と感謝が尽きない。この日は20人の3年生部員全員で20年度で監督生活30周年だった同監督へ感謝状とメッセージ動画のDVDを贈呈。感激した同監督は「マシンも買ってくれるんですよ」と根本個人がこれから寄贈する打撃マシン1台についても、うれしそうに明かした。

照れ笑いした根本は「少しでも恩返しで。でも、1軍で活躍することが恩返しだと思う」と自分に言い聞かせた。この1年はコロナ禍で先が見えない状況に気持ちが滅入ることもあったが、恩師や仲間とともに乗り越え、夢のプロ入りを実現させた。「自分なりには、しっかりできた1年かなと思います」。涙はなく、笑顔で区切りを付けた高校生活。新たなステージで飛躍するための、爽やかな節目となった。【木下大輔】

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