開幕右翼は高山で決まりじゃないぞ! 陽川尚将内野手(29)がオープン戦1号を放つなどマルチ安打で開幕スタメンへ猛アピールだ。

第1打席はソフトバンク先発の左腕和田にバットを折られながらも左前へ。さらに、第3打席では右腕二保の144キロ直球をを振り抜き、実戦2発目のアーチを広いペイペイドームの左翼席に突き刺した。

陽川 追い込まれていたので何とか次につなぐというか、コンパクトに振ろうと思っていた。それがああいう結果につながったのでよかったかなと思います。

手応え十分の1発が、右翼は高山が最有力だった開幕スタメン争いに待ったをかけた。宜野座キャンプから好調で、実戦は33打数12安打の打率3割6分4厘、2本塁打、5打点。必死のアピールが結実している。

陽川 しっかり結果を残していかないといけない立場なので。1試合1試合が大事なので、そういう気持ちを持ってやっている。それがよい風につながっているのかなと思います。

右翼争いは筆頭候補の高山のほか、ベテラン糸井も好調をキープ。一塁を争うマルテやサンズも1発を放つなど結果を出している。熾烈(しれつ)を極める開幕スタメンバトル。だが、内外野両方できる陽川の活躍は、指揮官の目にもしっかり留まっていた。

矢野監督 去年から段階がワンランク、ツーランク上がったかなというところを見せてくれているし、外野もファーストもできるんでね。左ピッチャーであったり、いろんなところで、スタメンで使いたくなるようなポテンシャル能力はある。中身のしっかりした打席が多かった。頼もしく見ています

昨季はキャリアハイの8本塁打を放ったが、定位置獲得には届かなかった。「気を緩めずに、チャンスがあればしっかり結果を求めてやっていきたいと思います」。8年目で初の開幕スタメンへ。大阪出身の和製大砲候補が、逆転へのアピールを続ける。【林亮佑】

◆阪神外野の定位置争い 矢野監督はすでにセンター近本の1番起用を明言。リードオフマンのポジションが揺らぐことはなさそうだ。激しい争いが続くのはライト、レフトの両翼。指揮官からキャンプMVPに選ばれた高山は、実戦打率3割9分の好成績で1歩リード。黄金ルーキー佐藤輝もキャンプから存在感を示す。悲壮な決意でシーズンに臨むベテラン糸井や打撃好調の陽川らにも可能性はある。

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