ミスターの本塁打記録に挑む阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、プロ入り初の5番に座った。最終打席で四球を選んだが、4打数無安打3三振とこの日は不発に終わった。

7戦連続で6番起用が続いていたが、「5番右翼」で初先発。見せ場はいきなりやってきた。初回、マルテの四球と大山の右前打で2死一、二塁の好機。オリックス山本の150キロ直球を豪快に振り抜いた。悲鳴にも似た歓声が響く中、打球は高々と舞い上がるも右翼手のグラブに収まった。続く3回1死二、三塁の第2打席は、山本の外低めの146キロフォークに空振り三振。開幕投手を相手に1本は出なかったが、持ち味のフルスイングは貫いた。その後はリリーフ陣を前に2三振。それでも9回1死一、二塁の第5打席、漆原から冷静に四球を選び3点目の好機をつくった。

オープン戦で初の3三振を喫し、4打数無安打も初めて。守備でも6回2死一塁、佐野如の右翼に弾んだ打球を処理するも、三塁ベースから大きくそれる悪送球で失策を記録。2死二、三塁とピンチを広げる場面もあり、ほろ苦い試合となった。

佐藤輝が5番に入ることで、右左右と「ジグザグ打線」を組むことが可能。矢野燿大監督(52)は「あいつの状態も、もちろんいいし。そうなった方がいいかなと。今日もチャンスで回ってきたしね。マルテも選球眼がいいからさ。ああいう出塁の後の流れの中で、トータルしたら5番でもいいのかなと思ったり」と説明した。

前回17日の西武戦(メットライフドーム)では、今井から3戦連発となる6号本塁打を放ち、ドラフト制後(66年以降)の新人のオープン戦最多記録を更新。58年のルーキー長嶋茂雄(巨人)がマークした7本塁打を目指した一戦だった。キャンプから絶好調の怪物ルーキーも、小休止。ミスター超えはお預けとなったが、気持ちを切り替えてオープン戦残り2試合へ向かう。【磯綾乃】

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