オープン戦の全日程が21日、終了した。収穫や誤算、課題をセ・リーグ6球団の指揮官が総括。4日後に迫ったシーズン開幕に向け、各チームが総仕上げに入る。

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巨人(オープン戦7位) オープン戦負け越しにも、原監督はチームの仕上がりに手応えを見せた。セ・リーグで唯一全試合でDH制を使い、野手陣の打席数をしっかり確保。投手陣も新守護神の中川に大竹、ビエイラら救援陣も状態を上げてきた。「ピッチャーの方は制球力がある人が残ってくれたなと」と、うなずいた。

阪神(オープン戦1位) 5年ぶりのオープン戦首位で開幕に突入する。9勝2敗2分けで勝率は8割1分8厘。さらにチーム打率2割6分7厘、17本塁打はともに12球団トップだった。黄金ルーキー佐藤輝が6本塁打と活躍し、矢野監督は「佐藤輝が入った中で、打線もまた面白みが出てきたと思う」と大きくうなずいた。

中日(オープン戦9位タイ) 機動力強化を掲げたオープン戦で、昨季リーグ5位だった盗塁数をリーグ1位の13個にしてフィニッシュした。与田監督は「挑んだことが形になった。本番で成功率をいかに高めるか」と喜んだ。一方で「チャンスで仕留める確率が低い。課題として残っている」と、機動力を生かす攻撃力をポイントに挙げた。

DeNA(オープン戦11位) 三浦監督は「若い選手がしっかりアピールしてくれた。投手も野手も総合力で戦う。実戦は積めた」と総括した。外国人不在だが、新人の牧秀悟内野手(22=中大)らが台頭。得点25、盗塁2は12球団最少だった。「思い描いたようにいかないことは多かった」と機動力を使える場面が少なかった。

広島(オープン戦8位) 投打で明暗が分かれた。オープン戦は5勝6敗の8位で終了。先発6枚に加え、若手中心のリリーフ陣が安定感をみせ、チーム防御率は12球団で2位の2・11。佐々岡監督は「結果が伴った中で、(課題の)中継ぎが強化できた」。一方で攻撃陣はチーム打率が12球団最下位の1割9分7厘と課題を残した。

ヤクルト(オープン戦12位) 3勝9敗1分けで最下位に沈んだ。山田が下半身の張りで最終戦を欠場。4本塁打11打点の浜田が、上半身のコンディション不良で開幕1軍絶望的と不安材料が多い。高津監督は「計算通りいったところも、計算以上にいったところも正直ある。腹をくくって来週の金曜日を迎えるだけ」と引き締めた。