プロ注目の新潟医療福祉大の左腕・桐敷拓馬投手(4年)がBC新潟相手に快投を演じた。先発5回を投げて6奪三振。4回に2安打1死球などで2点を失ったが、切れのある直球の最速は147キロをマークした。試合は3-5の惜敗。BC新潟の左腕・大竹樹希哉投手(22)が8回3失点で勝ち投手になった。

桐敷の威力あるボールがBC新潟・松島恒陽内野手(23)のバットを襲った。初回、先頭打者に投じた6球目だ。直球を強振されながらもバットを真っ二つに粉砕。この日の最速は2回先頭の4番熊谷航外野手(22)に投じた初球の147キロ。5回を投げて6奪三振。4回無死から死球と中前打などで2失点したが、プロ注目左腕の存在感を見せつけた。

「フォームも、腕(の振り)も感覚的に良かった」と桐敷は話したが、2失点の反省も忘れなかった。「初球の変化球が甘く入って、打たれてしまった。細かいところは、まだまだです」。4月3日開幕の関甲新学生春季リーグを想定して「球数を減らす」をテーマにマウンドに立った。ゲーム後半、リーグ終盤の疲労の蓄積を回避するための課題。「早いカウントで打たせて取りたかった」。5回を67球の投球だった。

19年秋のリーグで桐敷は奪三振ショーを見せた。リーグ戦初完封勝利を挙げた平成国際大戦(5-0)。延長10回で参考ながらリーグ記録に並ぶ18三振を奪った。直球の自己最速は20年秋のリーグでマークした149キロ。しかし、球速にはこだわらない。「球の速さはひとつの持ち味だが、それをコントロールする方が大事だと思う」。

4月3日の山梨学院大2連戦から大学最後の春が始まる。コロナ禍で秋季リーグしか行われなかった昨季は3勝1敗。「(今季は)自分たちの代になる。チームが苦しいゲームで踏ん張って、流れを持って来る投球がしたい」。エースとしてNPB入りを狙う戦いは、もうすぐプレーボールだ。【涌井幹雄】