阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)のすごさが数値でも表れる。29日、甲子園での主催開催で行うファンサービスが発表され、阪神選手が打った本塁打の「打球速度」「打球角度」「飛距離」がビジョンで表示されることになった。どこまで飛ばしたかはもちろん、怪物ルーキーがメジャー級の打球速をたたき出せるのかも大注目。試合観戦がさらに楽しくなりそうだ。

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佐藤輝のルーキーイヤーと、本塁打の数値表示開始が偶然にも重なり、甲子園の虎党にとって大きな楽しみが増えたと言える。オープン戦では甲子園で3本を放ち、早くも開幕2戦目の27日ヤクルト戦で神宮のバックスクリーン最上部へ推定130メートルのプロ1号を放った。甲子園での公式戦は4月6日巨人戦からで、本塁打が数字で丸裸にされるのはもう少し先になるが、大型ルーキーはこの日「これを一としてこれからもっと積み重ねていけるように」と改めて量産を誓った。

ビジョンに表示されるのは弾道測定器「トラックマン」による数値。どれだけ飛んだのか、これまでの推定から今後はすぐに分かる。また、本塁打の平均的な打球速度は時速140~150キロ、打球角度は20~35度といわれる。スポーツ科学を活用してデータ解析を行うネクストベース(本社・東京)の中尾信一代表取締役(48)は「メジャーの打球速度の最高は195キロ。190キロ以上なければトップ10には入らない。日本球界では180キロが最高。180キロを超えると衝撃的。佐藤選手ならやれないことはない」と語り、虎党のわくわく感を刺激した。

エンゼルス大谷はメジャーで180キロ以上、NPBではソフトバンク柳田が19年に球宴のホームラン競争で参加者トップの平均164キロをマークしており、これらの数字を上回ってくるのか。150キロを超えると急に長打の割合が増えるといわれており、打球速度に注目して佐藤輝の打撃を見るのも面白そうだ。

さらに中尾氏は続ける。「バットの軌道は19度上向きで、ボールの中心から6ミリ下を捉えると理想的な打球の飛び方をします」。ここまでの佐藤輝のスイングを見て「パワーも打球速度もあるし打球に角度をつけるのがうまい」と分析した。メジャーのフライボール革命の流れを受け、近大時代に飛球を打つことを試したが、今はボールの来る軌道に合わせてライナーで打っている。打撃技術をうかがい知れる打球角度もチェックしておきたい。

チームの6年ぶり開幕3連勝とともに「輝伝説」は始まったばかり。メジャー級の打球が甲子園のスタンドに飛び込む瞬間が待ち遠しい。【石橋隆雄】

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