初勝利を逃した。日本ハムの道産子ドラフト1位伊藤大海投手(23)は7日のソフトバンク戦(札幌ドーム)に2度目の先発登板。1点リードの7回に味方の失策もからんで逆転を許した。プロ初黒星を喫したが、ソフトバンク打線相手に7回を4安打3失点。先発全員となる11三振を奪い、圧巻の投球を披露した。チームは2-6で敗れ、2分けを挟み6連敗を喫した。

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感情を抑えることができなかった。試合終了後のベンチで、伊藤は目に涙を浮かべながらグラウンドを見つめた。「なんとか(チームの)連敗を止めたいなっていう気持ちを持ってマウンドに上がった。そこに対してやり切れなかったというのはすごい悔しい」。連敗が続くチームの嫌な流れを振り払うべく託されたマウンドだったが、7回3失点(自責2)でプロ初黒星を喫した

1点リードの7回。1死一、三塁で中村晃の投ゴロをさばいた。併殺を狙って二塁へ送球したが、遊撃中島が捕球をミスして同点になった。1死一、二塁、2三振と抑えていた松田には144キロの直球を左翼フェンス直撃の勝ち越し適時二塁打を許した。「あそこでもう1イニング任せられた時に粘り切れない、勝ちきれないっていう自分の甘さが出た」。プロ初勝利は手の届くところにあっただけに悔しさは膨れ上がった。

強力打線に、序盤から真っ向勝負を挑んだ。1回先頭の周東、今宮から連続三振を奪い3者凡退のスタート。2回先頭のグラシアルに146キロの直球を右翼席に1発を浴びたが、後続を抑え、最少失点で切り抜けた。4回に大田の今季チーム第1号の逆転2ランで援護をもらった後も、落ち着いた投球を披露した。

圧巻は5回。味方のミスが絡み、無死一、三塁とピンチを招いたが動じなかった。中村晃、松田、甲斐を3者連続三振に斬り大ピンチを脱した。7回118球4安打、毎回の11奪三振。栗山監督は「圧巻。素晴らしい投球だった。エース級の中身があった。それだけに勝たせてやれず本当に申し訳ない」とルーキーを責めなかった。それでも伊藤は「今日はほんとにチームとして勝ちたかった。そこに応えられなかったのはほんとに悔しい」と唇をかんだ。この悔しさは次回、必ず晴らす。【山崎純一】

 

▽日本ハム武田投手コーチ(伊藤に)「本当に本塁打1本だけで、ゲームメークしてくれた。新人から、こうやってつらい思いをさせているんですけど、この経験は必ずこの先、財産となって返ってくることを信じています」

 

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