不敗神話更新。広島大瀬良大地投手(29)が6回6安打無失点で開幕2連勝を挙げた。巨人菅野とのエース対決。本調子を欠いて5回以外は毎回走者を出したが、粘りの投球で本塁を踏ませなかった。大瀬良は本拠地マツダスタジアムの巨人戦は14年から負けなしの7連勝。チームの連敗を2で止めてみせた。

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2点リードの6回。無死一、二塁のピンチをしのいだ。今季最多104球を投げ終えた大瀬良は、表情を変えずグラブを右手に持ち替えてマウンドを降りた。連打で招いたピンチ。最後の力を振り絞った。4番岡本和を初球真っすぐで二飛に打ち取ると、続く大城も真っすぐで押して三飛。最後は重信への3球目、得意球カットボールで6個目の三振を奪い、最後まで本塁を踏ませなかった。

「あまりないんじゃないかなと思うくらい球を操れていなかった。ちょっと苦しいなと思っていました。でもバックもいますし、何とか打ってもらっていく中で、アウトを重ねていきたいなと思っていた。粘り強くやれたのは収穫だと思う」

立ち上がりから思うように制球できず、厳しい判定もみられた。3者凡退は5回の1度のみで、4度先頭打者の出塁を許した。苦しい中でも顔色を変えず、根気強く両サイドを突いた。4回までに78球を要し、6回に今季初めて100球に達した。

ピンチを招いても、切り抜けても、感情は表に出さない。そこにエースの風格が漂う。「最初は見よう見まねだったんですけどね。常にどんなときでも同じメンタルでいられれば。そういう姿は相手も不気味かなと思う」。広島の先輩、黒田博樹氏の立ち居振る舞いを映像で見直して学んだ。17年に阪神藤浪からの死球に笑顔で返し、緒方前監督から指摘されたこともあった。人柄を表す行動も、チームの先頭に立つ者として変化を求めたのだ。3アウト後すぐにグラブを右手に持ち替える動きは、かつてのエースと重なる。

チームは前夜ヤクルトに逆転負けして、今季初の連敗。チームメートは東京から広島に移動しての試合だったが、我慢の投球で悪い流れをきっちりと断った。巨人のエース菅野との投げ合いはこれで通算3勝1敗。「素晴らしい投手ですけど、勝って行くことでチームも乗っていける。本当に勝つ気で投げました」。マウンドでエースとしての姿を示し、チームを再び上昇気流に乗せた。【前原淳】

▽広島坂倉(初めて一塁で出場)「迷惑だけはかけないように必死でした。(7回2死満塁でのショートバウンド好捕に)奇跡です。やるからにはチームのためにやるしかない」

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