広島菊池涼介内野手(31)が、昨季3戦2敗の難敵、巨人戸郷を攻略した。試合前まで右打者に今季1安打も打たれていなかった右腕から広角に3安打。1打点3得点と全得点に絡む働きで、チームを勝利に導いた。

1点を先制された直後の1回。カウント3-1から引っ張った打球が二遊間を抜けた。「たまたま1打席目に(相手の)カウントが悪くなって、抜けてくれたことが気を楽にしてくれた」と、その後の中前打、右前適時打につなげた。他の右打者が無安打に抑えられる中、今季4度目の猛打賞で1人気を吐いた。

開幕からの連続試合安打を14試合に伸ばし、打率4割2分6厘はリーグトップと好調を維持。「要因が分からないので、いいうちに今の状態が(体に)染みつくように、毎日毎日、凡打だろうが何だろうが変えずにやっているだけなので」と謙虚に足元を見つめる。

今春キャンプ時から河田ヘッドコーチにリーダーとしての自覚を促され、打線のけん引役を期待された。7日のヤクルト戦から2番から1番に打順を上げたが、責任と明確な役割を胸にグラウンドに立つ。「みんな役割は分かっていると思う。今たまたま僕が打っているだけで、みんなもっとやれる。逆に僕が打てなくなることもあると思う。いかにそういう時に、進塁打を打てたとか、バントができたとか。それが“ワンチーム”だと思う」。この日も序盤のミスを野手陣が取り返し、勝利につげた。「連覇したときもそうやってやってきた。まだまだできると思う」。2戦連続決勝打。鯉の新切り込み隊長は、チームのさらなる成長を信じている。【前原淳】

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