広島先発の九里亜蓮投手(29)が巨人相手に7回2失点と力投し、リーグトップの3勝目を手にした。1回に先制点を許し、同点の3回には勝ち越しソロを被弾。打者走者と交錯して一時ベンチに引き揚げるアクシデントがありながら、先発の役割を果たした。先発の柱として無傷の開幕3連勝。チームを支えている。

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今季最多の106球目、カットボールで三振を奪うと、九里はマウンド上で雄たけびを上げ、右拳を握った。この日1発を浴びていた松原にリベンジ。球数だけでなく、イニングも今季最長の7回を投げ抜き、巨人戦連勝の道筋を描いた。

序盤はばたついた。1回1死から坂本を四球で歩かせると、続く梶谷の投手左へのゴロを二塁へ悪送球。ミスは連鎖し、1死一、三塁から安部の悪送球で先制点を献上した。同点の3回にはボール先行となった松原に勝ち越し弾を被弾。さらに2死後、一塁堂林からのトスがそれたことで、一塁ベースカバーに入った九里は打者走者と交錯して転倒。一時ベンチ裏に引き揚げて心配されたが、しばらくしてマウンドに戻った。

自らの失策から先制点を許しても、交錯して転倒しても、マウンドで気迫を前面に出した。「初回に自分のミスからピンチにして、失点してしまった。何とか粘り強く、1点でも少なくという気持ちで投げていた」。5回まで92球を要したが、6回は4球、7回は10球でともに1人の走者も出さなかった。

今季から背負う番号に重みを感じている。「日本ハム時代のダルビッシュさん(パドレス)や岸さん(楽天)。背番号11はチームのエース、球界を代表する投手がつけているイメージが強い。自分も球団から背番号をつけさせていただいたことに対して、しっかり応えないといけない」。今年は広島先発の柱となる-。自覚が開幕3連勝につながっている。

九里の力投もあり、巨人に連勝して2カードぶりの勝ち越しを決めた。佐々岡監督は「気合も入っていましたし、初回は自分のエラーからピンチを招いた中で最少失点で抑えたのは大きかったと思う。向こうに流れがいくところを粘り強い投球をしてくれた」と力投をたたえた。大瀬良や森下だけではない。今季の広島先発陣にはもう1本、頼れる柱がいる。【前原淳】

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