驚異の奪三振ショーだ。日本ハムの道産子ドラフト1位伊藤大海投手(23)は14日の西武戦(メットライフドーム)に今季3度目の先発。制球が定まらず、3回までに2失点と立ち上がりに苦しんだ。それでも粘りの投球で4回以降は持ち直し、6回を7安打2失点。毎回の9三振で初登板の1回から19イニング連続奪三振を記録。2敗目を喫したが、3試合連続のクオリティースタート(先発6回以上自責点3以下)で試合をつくった。

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プロ初勝利はお預けになったが、伊藤の投球は圧倒的だった。1回、森に許した先制打直後から、奪三振ショーは始まった。2死二塁、3月31日の対戦で1発を浴びた呉念庭を空振り三振。5回には森から見逃しで、さらに6回一、二塁のピンチでは、狙い澄ましたように西川と山田から三振を奪った。「ある程度三振がほしいというところで三振を奪えているというのは、すごくプラスなこと」とうなずいた。

降板する6回まで毎回の9奪三振。3月31日のデビュー戦から3試合、計19イニング連続奪三振を記録した。28個の奪三振数は、4試合に登板し30個をマークしているオリックス山本に次いでリーグ2位。奪三振率13・26はリーグダントツの数字を誇っている。

待ちわびていた駒大苫小牧の1学年後輩・若林との対決も実現した。「すごく意識はしましたけど、最初にパーンといかれちゃったので、かないません。状態もよかったので、さすが」。1回に右翼線二塁打を打たれ先制のホームを踏まれた。だが先輩としてただでは終わらず、2回2死一、二塁の2度目の対戦は、2球で追い込み、最後は147キロ直球を振らせ3球三振に仕留めた。

3試合連続のクオリティースタートで、ゲームメーク能力の高さを証明した。エース上沢、加藤、池田らローテーションに入る投手陣の中で、防御率2・37は、加藤(1・71)に次ぐ数字。栗山監督は「本当に本当になんともいいようがない。申し訳ない。今日こそっていう話をしていたんだよ」と悔しがった。

伊藤は「もっともっと長いイニングも投げたい。まだまだ始まったばかり。ここからどんどんチームに貢献できたら」と前を向いた。

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◆日本ハムの新人伊藤が西武戦で今季3度目の先発。6回7安打2失点で2敗目を喫したが、三振は毎回の9個。これで伊藤はプロ初登板となった3月31日の西武戦から3試合19イニング連続奪三振。奪三振率13・26は規定投球回数到達者ではリーグトップ。2位はロッテ鈴木の12・71、3位は西武平井の10・13。奪三振数もオリックス山本の30個に次ぐ2位の28個を記録している。