2人のハマグチがいる。DeNAの開幕投手、浜口遥大投手(26)は、4試合連続で1回と2回以降でまったく違う投球内容を見せている。今季初めて中5日で先発した15日もまた、別人のような投球で3敗目を喫した。

1回、2番中村と4番村上にソロ本塁打を浴びた。塩見にも安打を許して3安打2失点。中村には直球を、村上にはチェンジアップを打たれた。一転、2回からは立ち直った。6回までの5イニングはわずか1安打。特に4回からは完全投球で、打者9人から7奪三振。終わってみれば、6回106球で4安打2失点。奪三振は10を数えた。

浜口 調子は悪くありませんでした。2イニング目以降、粘り強く投げられただけに、初回の失点が悔やまれます。次回登板ではこれまで以上の責任感を持ってマウンドに上がりたいと思います。

前回も、だった。9日の阪神1回戦(横浜)は初回に適時打、犠飛、押し出しで3失点。1イニング3四球と、救いようがない投球だった。ところが、2回以降は立ち直り、5回まで4イニングは2安打無失点。結果は5回5安打3失点だった。

前々回も、だった。2日の広島1回戦(横浜)は初回、味方守備が乱れもあったが、松山に適時打を浴びて1失点。しかし、2回から5回までは無失点。6回に西川にソロ本塁打を浴びたが、6回7安打2失点は合格点の投球内容だった。降板時には悔し涙を流すなど、三浦監督も「表情に気持ちが入っていた」とした登板だった。

さらに、さかのぼると3月26日の開幕・巨人戦(東京ドーム)も、だ。初回に先頭から6者連続出塁を許すなど3失点した。ところが2回は3者凡退。3回に3ランを浴びたが、最後は2者連続三振と意地は見せた。

初回の失点は3→1→3→3で合計10。通算4イニングで10点を取られている。2回以降の失点は3→1→0→0で合計4。通算16イニングで4失点だ。

三浦監督は15日の試合後、浜口の投球について、こう評した。「立ち上がりにソロ2発で2点取られた。2回以降は腕が振れていた。(立ち上がりは)次回以降の課題となる。いろいろとトライしているが。初回は何かを変えていかないと。投手コーチと相談して、やっていかないと」。

川村投手コーチが12日、浜口の取り組みについて語っていた。(1)ブルペンで球数を増やす(2)試合直前まで投球練習。手をこまねいていたわけではない。浜口自身も(1)自分で自分にプレッシャーをかけすぎない(2)先頭打者をうまく切って好投した上茶谷の投球を参考にする、といった改善方法に取り組んでいた。それでも、またも同じような結果が出てしまった。

通算172勝の三浦監督でも「立ち上がりは先発投手にとって難しい」と認める部分はある。これまでは、開幕投手はペナントレースの序盤、相手エースと当たり続けるため、先制点を与えられないというプレッシャーがかかる部分はあった。実際に過去3戦は巨人菅野、広島大瀬良、阪神藤浪が相手先発だった。だが、この日は今季初の中5日で登板日が木曜にずれたため、これにも当てはまらない。浜口は次回登板までにどうにかして初回の呪縛を解く必要がある。【斎藤直樹】

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