みなとみらいの高層ビル群を背に日の丸がはためいた。東京五輪決勝戦の舞台となる横浜スタジアムで巨人の侍たちが躍動した。

絶対的エース菅野。直球を微妙に動かす150キロに迫るツーシーム、スプリットを効果的に交えた。ゴロアウト12、4奪三振の快投で今季初勝利を完封で飾った。東海大相模時代の07年夏の神奈川大会準決勝。横浜スタジアムで横浜相手に“振り逃げ3ラン”のミラクルプレーを生み出したこともある。「記憶している限り、ハマスタの完封は初めて。うれしいです」とゼロ行進を完成させた。

不動の遊撃手坂本。5回無死、DeNA坂本のチェンジアップを下半身の粘りで、バックスクリーン左に2号ソロを放り込んだ。3回の中前打、8回の右越え二塁打で通算166回目の猛打賞。リーグ歴代4位の金本(阪神)に並んだ。07年9月2日横浜(現DeNA)戦で1軍の“遊撃デビュー”した場所で、遊撃での出場が1778試合に到達。ロッテ鳥谷の持つ遊撃手の最多出場記録を更新し「この成績をもっと伸ばせるように精いっぱい頑張ります」と言った。

若き主砲の岡本和。開幕からの不振を払拭(ふっしょく)した。3回1死二、三塁、DeNA坂本の直球を右中間に先制の2点適時二塁打。15年9月5日DeNA戦、公式戦3打席目のビッグベイビーがプロ1号2ランで初安打&初打点をマークした場所で4試合、13打席ぶりの安打が先制決勝打となり大勝の口火を切った。6回1死二、三塁でも左前適時打を放ち3打点。「明日からまた打てるように、しっかり準備して頑張ります」と背筋が伸びた。

ネット裏から見守った侍ジャパン稲葉監督とともに、東京五輪の金メダルをかけた戦いが待ち受ける。2021年、8月7日。YOKOHAMAの最終決戦で世界一を奪い取る。【為田聡史】