阪神投手陣が球団最長タイとなる3試合連続完封勝ちを達成した。移籍2年目の右腕が継投劇の主役だった。2点リードの6回に藤浪がこの試合2つ目の死球を与えて降板。2死一、二塁のピンチでマウンドに上がったのは、小林慶祐投手(28)だった。「甘く入らないように、いい打者なのでそこだけを。シンプルにいけて良かったです」。迎えた内川を3球で追い込むと、最後は気迫のこもった149キロ直球で空振り三振。「とにかく弱気にならないことだけを今日は思って上がりました」。柔和な右腕が、マウンドで力強くこぶしを握った。

7回には先頭西浦をフォークで空振り三振に仕留めると、左腕の岩貞にスイッチ。そこから岩崎、スアレスと「勝利の方程式」で2点を守り抜いた。小林はこれで6戦連続無失点。昨年8月にオリックスから移籍後、この日が初ホールドとなった。初めて甲子園のお立ち台にも上がり「このあとロッカーに行っていじられるか、どうか…」と笑顔。チームにもなじんだ様子で、ブルペンの雰囲気の良さをうかがわせた。

小林を送り出すことに、矢野監督の迷いはなかった。「本当にあのアウトは貴重なワンアウト。迷いなく『小林だ』っていう思いでいた。中継ぎのつながりを作ってくれたのは小林かなと思います」。今季チームは先制すれば、14戦全勝。「先制神話」をどんどん伸ばせるのも、安心して託せるリリーフ陣がいるからだ。「中継ぎのチームワークというか、みんなでつないでつないでスアちゃん(スアレス)に。そういう気持ちを持ってやってくれています」と指揮官は絶大な信頼を置く。

先発陣の連続クオリティースタート(6回以上、自責3以内)は12戦で止まったが、連勝は途切れない。ブルペンのチームワークは抜群だ。【磯綾乃】

▼阪神が4月14、15日広島戦に続き、球団最長タイとなる3試合連続完封勝利を達成した。なお4月11日DeNA戦9回から、28イニング連続無失点を継続中。球団最長は42年9月19日阪急戦~同27日朝日戦の52イニング。