不死身の男がやってきた。西武の新外国人左腕のマット・ダーモディ投手(30=カブス)が17日、埼玉・所沢の球団事務所で入団記者会見を行った。2日に来日し、2週間の隔離期間を経て初めての顔見せ。98番のユニホームを着て「自分のピッチングスタイルはどんどんストライクを投げ込んでいくところで、フォアボールもほとんど出さないので、コントロールに自信があります。スピードを変えていくピッチングの奥行きみたいなところでも勝負できるのも自分の強み」と先発として意気込みを語った。

かつてシーズンオフに自転車配達業のバイトでバイクと衝突。196センチの巨体が宙を舞いながら、無傷で働き続けた幸運の持ち主。新天地で活躍するために、米国で調整を続けていた。同僚のザック・ニール投手に日本のプロ野球についてレクチャーを受け、開幕後は西武の試合を毎日チェックしていたという。「捕手の森選手であったり、源田選手の内野でのグラブさばきであったり、金子選手のセンターの守備であったり、そういったものは見ていて心強い」とすでにインプット。いつでも合流ができるように万全の準備をしてきた。

日本とは切っても切れない縁で結ばれていた。父親が米国の東芝の医療部門に勤務。その後、同部門が買収されキヤノンに移った。「東芝とキヤノンで父が働いているという経緯があるので、できればキヤノンの本社に行ってみたい」と、父のルーツに興味を示した。ダーモディによると、カブスと契約延長の話もあったが「自分の今後のキャリアを考えた時にも日本に来てもう一回り成長できると思って、入団を決意した」と挑戦を決めた。

メジャーではブルージェイズで17年に2勝を含む23試合に登板。メジャー29試合で5四球と制球力は数字が物語る。18年5月にトミー・ジョン手術を受け自由契約となったが、昨季カブスにカムバック。会見に同席した渡辺久信GMも「明らかにフォアボールが少ないんですよ、投げていて。そういうピッチャーは日本では結構はまりそうな手ごたえをここ数年やっていて、感じている。ローテに入ってくると思います」と、大きな期待を寄せた。