阪神は18日、育成選手の小野寺暖外野手(23)と支配下選手契約を締結したことを発表した。

小野寺は18日の練習後に鳴尾浜で取材に応じた。支配下登録は今朝、球団から伝えられたと言い、「去年、支配下になれなくてとても悔しかった。今年どうしても(支配下に)なりたいっていう気持ちを強く持っていたのでとてもうれしかったです」と気持ちを語った。母子家庭で育ち、真っ先に支配下登録を母由子さんに伝えた。「まず始めにお母さんに連絡して、とても喜んでいた。喜んでもらえるようにという気持ちは強く持っていたので、1つ目標は達成できたんですけど、ここからがスタートとも親には言われました」とやりとりを明かした。背番号は「127」から「97」に変更。その意図を、「前の背番号が127っていうのと、誕生日が3月17日なので、7が最後につくので97番にしました」と説明した。支配下の契約金は1000万円、新年俸は420万円(金額は推定)。

矢野監督は小野寺について、「守備も内野も、内野と言ってもサード、ファーストぐらいやけど、外野もしっかり守れるし。一番はバッティングやと思うけど、総合的に見ても支配下の力があるというのはキャンプの時から思っていたこと」と支配下入りの理由を説明した。1軍への可能性を問われると、「あいつ自身がつかむもの。アピールしてくれれば、今は上がれるチャンスがある。それはみんな一緒」と目に留まる活躍を期待した。

小野寺は19年育成ドラフト1位で入団。今春は1軍沖縄キャンプの実戦でも特大弾を放つなどアピールを続け、ここまでウエスタン・リーグ2位の打率3割2分8厘、同2位タイの20安打、同3位の10打点と好調をキープしていた。

前日17日に、谷川昌希投手(28)が金銭トレードで日本ハムへ移籍が決定。それに伴い支配下登録70選手の残り枠数が「1」から「2」に増えていた。小野寺は、現在手薄感のある貴重な右の代打としても、1軍初昇格の可能性も十分ありそうだ。

◆小野寺暖(おのでら・だん)1998年(平10)3月17日生まれ、奈良市出身。京都翔英で高校通算20本塁打も甲子園出場はなし。大商大ではMVPを2度獲得。19年育成1位で阪神に入団。今季は2軍戦で17試合に出場、打率3割2分8厘、1本塁打、10打点と好調を維持。183センチ、79キロ。右投げ右打ち。