西武は18日、育成選手の東野葵投手(24)から申し入れがあり、自主退団することを発表した。

東野は日本経大から18年育成ドラフト1位で入団。今季が3年目だった。自主退団の経緯について東野は「昨年の春季キャンプで肘の靱帯(じんたい)を損傷し、昨シーズン中に復帰してからも肘をかばうように投げる日々でした。今年は育成で迎えた3年目のシーズンでしたが、自主トレ中に再び肘を痛め、さらにキャンプ中に痛みが増し、症状が悪化してしまい、自分の靭帯の状態を踏まえ、引退を決意した次第です」と説明した。

イースタン・リーグでは通算19試合に登板し2勝4敗。右肘のけがに球団側からは手術を薦められたが、東野は保存療法を選択した。回復に努めたが、復帰が見込めず、引退を決断したという。球団は慰留したものの、本人の意思は固く受け入れることになった。渡辺久信GMは「東野にとって2年目の昨シーズンはファームでの成績も向上し、彼の将来を非常に楽しみにしていましたので、大変残念に思います」とコメントした。

東野は「一番の思い出は1年目、鎌ケ谷での北海道日本ハム戦で初勝利を挙げられたことです。投げ合った相手は斎藤佑樹さんでした。1軍で活躍することはできませんでしたが、ファンの皆さまには計り知れないくらい感謝しています。苦しい時でも温かいメッセージをいただき、いつも頑張ろうという気持ちになれました。これまで本当にありがとうございました」。育成選手にとって勝負の3年目がまだ始まったばかりだったが、自らユニホームを脱いだ。

◆東野葵(とうの・あおい) 1996年(平8)11月30日生まれ、福岡県出身。福岡第一から日本経大をへて18年育成1位で入団。高校でギター、大学でピアノを始めるなど多趣味。183センチ85キロ。左投げ左打ち。