初のお立ち台で、照れくさそうに右の尻ポケットから初ホームランの記念球を取り出した。

巨人育成ドラフト12位の加藤廉内野手(22)が、1回1死、楽天福井の134キロフォークをコンパクトに振り抜いた。逆方向へ勢いよくはじき返し、左翼フェンスを軽々と越える先制ソロ。表情を変えずに、ダイヤモンドを1周した。「追い込まれていたのでしっかりコンパクトにバットが出せて、それがいい結果につながったので本当によかった」と今度は表情を崩して喜んだ。

これだけでは終わらなかった。2回2死から右翼へ二塁打を放つと、8回2死一塁でも変化球にうまくバットを合わせ、中前打で猛打賞とした。2四球を加えて全5打席で出塁。「自分はしっかり足を生かした走塁が必要だと思う。これからも出塁を意識していきたい」と手応えを口にした。

ヒーローインタビューの直後には、チームメートに促され、手を振ってファンの声援に応えた。一、三塁側にペコリと頭を下げる姿には、初々しさがにじみ出た。ドラフトで全体最後の123番目に指名された俊足巧打の内野手。「1日でも早く支配下登録されるようにこれからも努力していきたい」と1軍の舞台での活躍を目指し、鍛錬を積む。【小早川宗一郎】

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