新型コロナウイルス感染のため開幕から4試合を出場辞退した関西国際大が初戦を迎え、追手門大に6回コールドで大勝した。

プロ注目で最速152キロ右腕の翁田(おうた)大勢投手(4年=西脇工)は救援で備えたが、登板機会なし。それでも、先発の不後祐将投手(2年=中京学院大中京)が6回途中無失点で貢献した。甲南大は井村多朗投手(2年=徳島城東)の完封で快勝した。大体大は大産大と引き分けた。

    ◇    ◇    ◇

関西国際大がコロナ禍を乗り越えて今季初公式戦で大勝した。12安打10得点の猛攻を見守り、鈴木英之監督(54)は「まともに練習を始めて10日たっていない。(再開後)散歩から始める段階だった。何かの間違いじゃないか」と目を細めた。

激震の春だった。3月23日に感染者が見つかり、約150人がPCR検査。複数の感染者が出て、3日の開幕からリーグ戦の出場を辞退した。8日に練習再開も、4戦が不戦敗となり昨秋からの連覇は厳しい情勢だ。多くの選手が兵庫・三木市内の寮の自室で隔離生活。それだけに「部屋で腹筋、背筋だけ。そんなレベル。2週間、よく耐えた」と指揮官は振り返った。

この日、登板機会がなかった今秋ドラフト候補の翁田も春の実戦で151キロを計測したが、まさかの中断。「急に動けなくなって感覚がゼロになって気持ちが焦りました」と言う。今はブルペン投球を重ねる。チームの危機を脱し、30日追手門大戦の登板を目指す。