今季初勝利はならずも、中日大野雄大投手が渾身(こんしん)の投球を見せた。「(相手に)点をやったら負けと思って投げた」と3回まで完全投球。唯一のピンチは4回。先頭神里に内野安打を許し、オースティンの左前打で背負った1死一、三塁でも動じず。4番佐野を一直。新人ながらこの試合までリーグ最多18打点の5番牧は、この日最速タイの148キロ直球で見逃し三振に打ち取った。

外国人が戻った打線を単打3本の無得点に封じ、8回でマウンドを降りた。「(球威で)押せたと思う。ゾーン内で勝負ができた。次につながると思う」。開幕から4試合目で初めての無失点投球だった

この日は侍ジャパン稲葉監督が視察。東京五輪のメイン会場で、昨年の沢村賞左腕が圧巻の投球内容を見せた。「そこまで意識して投げたわけじゃない。ゼロに抑えたことは(五輪候補として)プラス材料だけど、僕自身にもプラス材料」と表情は緩んだ。

味方打線もDeNA大貫らに抑えられ、スコアレスドロー。大野雄は「自分のピッチングは確実にできてきた。チームも僕もファンも、がまんですね」と、次の一戦へ気持ちを切り替えた。【伊東大介】

▽中日与田監督(7回無死一、三塁の好機も無得点で大野雄を援護できず)「点が取れる戦術を僕がしないといけない。しっかりと采配を考えないといけない」

▽中日阿波野投手コーチ(大野雄の投球に)「チームの流れを変える投球が、初回から見られた。気が抜けない展開で、本塁打で負けた失敗を繰り返さないという気持ちも見えた。勝ちに値する内容」

▽中日パウエル打撃コーチ(DeNA大貫の投球に)「いい投手はわかっている。阿部や木下拓もアウトやファウルになったが、いいところが少しずつ見えてきている」

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