連続イニング奪三振の新人タイ記録をマークしたが、日本ハムのドラフト1位伊藤大海投手(23)の初勝利はまたしてもお預けとなった。

ロッテを相手に7回5安打10奪三振3失点。4回まで毎回三振を奪い、デビュー戦から続ける連続イニング奪三振を「23」に伸ばし、球団の先輩木田勇が持つ新人記録と球団記録に並んだ。勝利投手の権利を持ってマウンドを譲ったが、チームは今季初のサヨナラ負けで3連敗。ルーキーの白星は消え去った。

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プロ初勝利はまたもお預けとなったが、間違いなく記憶に残る試合となった。伊藤がプロデビュー戦から続ける連続イニング奪三振記録を「23」に伸ばし、球団の先輩木田勇が持つ新人記録と球団記録に並んだ。「意識していないとはいいつつも頭の片隅にはあった」。5回に記録は途切れたが「また抑えにいった結果が、何かの記録に絡むような選手になっていきたい」と胸を張った。

登板前日に「一番はやっぱり腕がしっかり振れているということ」と三振量産の理由を自己分析していたが、この日もマウンドを支配しているかのように、4回まで毎回の奪三振を重ねた。1回1死からマーティンを148キロ直球、中村奨を134キロのスライダーで2者連続の空振り三振。キレのある直球はもちろん、マリンの浜風も味方に、宝刀スライダーの曲がりも抜群だった。4回先頭のマーティンから最速150キロの直球で三振を奪い、記録に並んだ。奪三振数の38個は34個のオリックス山本を上回り、リーグトップ。奪三振率13・15もトップだ。

前の反省をきっちりと生かした。プロ初黒星を喫した7日ソフトバンク戦(札幌ドーム)の7回。1死一、三塁で投ゴロをさばき、併殺を狙って二塁へ送球したがボールがそれ、遊撃手のグラブをはじいた。同じミスはしない。この日は5回無死一塁、山口の投前への高く弾むゴロに手を伸ばし捕球すると、ベースカバーに入った二塁手へストライク送球。きっちり併殺打に打ち取った。

6回まで無失点投球を続けていたが7回に3失点。この回限りでマウンドを譲った。「最後に粘りきれなかった。先発の役目は、大まかにみたら出来ているかもしれないですけど、まだまだ、そういう部分で詰めていかないといけないのかなと感じた」。この試合をステップにもう一回り大きくなる。

▼ルーキー伊藤がプロ初登板の3月31日西武戦の1回から、この日の4回まで23イニング連続奪三振。連続イニング奪三振の記録は15年サファテ(ソフトバンク)の43イニングが最長で、23イニングは歴代5位タイ。新人では80年木田(日本ハム)の23イニングに並ぶ最長タイ記録となった。なお、伊藤は初登板の1回から記録を続けたが、他の上位の投手はいずれもシーズン途中から記録がスタート。プロデビュー戦からはもちろん、シーズン初登板から23イニング続けたのは伊藤が初めてだ。

▽日本ハム栗山監督(伊藤のプロ初白星目前で今季初のサヨナラ負けに)「本当に申し訳ない。勝ちきれなくて。(サヨナラ2ランを浴びた杉浦は)ああいう日もある」

▽日本ハム荒木投手コーチ(伊藤に対し)「今日は、なんとか勝ち星を付けてあげたかった。これが、この世界の厳しさ。厳しいことを言うと、1人で投げ勝てるような大きな投手になってくれたら、もっとチームにもプラスになる」

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