虎の快進撃を支えてきた「先発神話」が崩れた。先発の秋山拓巳投手(29)が巨人打線の餌食となり、3回10安打6失点KOを食らった。初回は4番岡本和に2点二塁打を許すなど3失点。2回には吉川に右越えソロ、坂本に左越え2ランと立て続けに本塁打を浴び3点を失った。4回の打席で交代。試合前まで防御率1・80と抜群の安定感を誇った右腕は、「今日はすごく悔しい結果になってしまいました」と唇をかんだ。

先発の踏ん張りが強さの原動力だった。開幕投手の藤浪に始まり、今季は全試合で先発投手は責任回数の5回以上を投げてきた。だが、シーズン22試合目となるこの試合でついにストップ。矢野監督は「3点、3点というのはあまりにも重かった」と振り返った。

悪い流れは簡単に断ち切ることはできない。3点差まで追い上げて迎えた7回には、代わったばかりのエドワーズが先頭香月に右越えソロを被弾。8回にもマウンドに上がったばかりの桑原が梶谷に中越えソロを浴びた。チームは今季ワーストの8失点。東京ドームの空中戦に屈した。

初回には長打2本と1四球を奪いながらも無得点と、攻撃でチグハグな部分も目立った。立ち上がりの明暗が結果的に勝敗につながった。前日は先制すれば16連勝など数々の打撃神話が崩壊。昨季、開幕から8連敗し、3勝9敗と苦手にしていた東京ドームは今季も鬼門なのか。今季初の同地3連戦は1勝2敗で2位巨人に2ゲーム差に詰められた。それでも指揮官は「特にうちの戦いができなかったとは思っていない」ときっぱり。内容のある負けと分析し、引きずることはないとした。【桝井聡】

▼阪神の先発秋山が3回6失点で降板。今季の阪神投手陣は開幕から全試合で先発投手が責任回数の5回以上を投げていたが、21試合でストップした。19年5~6月に27試合連続で先発5回以上の例があるが、開幕からでは、00年以降では11年の22試合連続が最長。