ソフトバンクがロッテに鮮やかな逆転勝利を決め、引き分けを挟んで4連勝を飾った。工藤公康監督(57)は監督通算512勝目を挙げ、南海時代の故野村克也氏に並んで球団史上3位タイとなった。今季14勝のうち半分の7勝が逆転勝ち。この日も見せた粘りの野球が、首位のチームを支えている。

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工藤監督はマスク越しでもわかるほどにこやかな笑顔で、スタンドの鷹ファンに両手を振って応えた。総力戦でつかんだ今季14勝目は、就任7年目にして監督通算512勝目。南海時代の故野村克也氏に並び、球団史上3位タイになった。「選手やコーチ、みんなのおかげ。ファンのみなさんの支えがあってこそのここまでの勝ち星だと思う。1つ1つ積み上げていきたい」。いつものように殊勝に、周囲の支えに感謝した。

21年のソフトバンクらしい戦いだった。1点を追う9回1死からデスパイネ、中村晃の連打で同点。1死二、三塁の好機で甲斐が決勝の中前適時打を放った。今季は代打を送られることが多かった甲斐だが、工藤監督は「打撃の調子もいい。そのままいこうと、ヘッドと話して、そのままいってもらいました」。首脳陣の決断に応えた甲斐も野村氏に大きく影響を受け、背番号「19」を背負う。工藤監督は「何かあるかもしれないですね」。縁のある正捕手の活躍に目を細めた。

今季ここまで14勝のうち、半分の7試合が逆転勝ち。引き分けも3つあるが、すべてリードされていた展開を追いついてのものだ。ハイレベルで安定した中継ぎ陣の踏ん張りと、終盤での打線の粘りが現在首位のチームの原動力になっている。「今年はとにかくあきらめないで最後までと、シーズン前に選手たちに言った。その通りに、よく粘ってくれています」と、指揮官はうなずいた。

チームは引き分けを挟んでの4連勝でがっちり首位をキープ。2年間、負け越していたZOZOマリンでの今季初戦を取り、幸先いいスタートにもなった。「ナイスゲームでした。また明日、頑張ります」。工藤監督の目はすでに、ノムさん超えの513勝目に向かっていた。【山本大地】

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