エースの貫禄を示した。巨人菅野智之投手(31)が9回を5安打1失点で2勝目を挙げた。完投を意識した投球で、27アウト中12アウトを3球以内で奪う省エネ投球。決勝弾を放った女房役の大城とのコンビネーションも抜群で、前回対戦で今季初黒星を喫した広島にリベンジを果たした。チームは3連勝で首位阪神に1ゲーム差に詰め寄った。

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併殺の完了を確認すると、グラブをたたき雄たけびをあげた。1点リードの8回1死一、二塁。菅野は2回に内角直球を痛打されていた西川の懐へ136キロスライダーを投じ、詰まらせた。「すごくいい攻めができていたし、前の打席までの対戦も踏まえて(大城)卓三が配球してくれたと思う。最後は最高の結果で、バッテリーでうまく攻められている証拠じゃないかと思う」と納得の表情を浮かべた。

あっという間に試合が進んだ。打者の手元で小さく動く変化球を武器に、27アウト中12個のアウトを3球以内で奪った。4回は打者3人にわずか4球。「効果的にカットボールやツーシームをうまく使えたと思うし、強弱をつけて三振を狙うところは狙うという効果的なピッチングができたと思う」。2回1死二、三塁の序盤最大のピンチで、クロンを三振に仕留めるなど要所を締めた。

借りはすぐに返した。足の違和感から復帰した前回対戦の9日には、7回2失点と好投するも1回に菊池涼、鈴木誠に1発を浴びた。111球を投げた後の8回表。打席は回らず裏から中継ぎにバトンを託したが、ベンチでバッティンググローブをはめ、続投の意思を示した。悔しい今季初黒星だったが、即リベンジ。「前回は毎回ランナーを背負ったり復帰登板で思う通りのピッチングができなかったが、だいぶ球も戻っている。何より球数が少ないのでこのまま継続していきたい」とうなずいた。

エースの2試合連続の完投でカード頭で中継ぎ陣を休ませた。「完投を意識して投げたが、こういうピッチングを1試合でも多くすれば、中継ぎも投げやすいと思う。これを弾みにもっともっといいピッチングができるようにしたい」と言った。若手先発投手陣も奮闘する中、エースの存在が頼もしい。【久永壮真】

▽巨人原監督(菅野について) 丁寧に緩急、強弱をつけながら、いい投球をした。そこがトモ(菅野)のいいところですよね。自分のボールに過信せず、丁寧に投げるというのはね。投手の中では非常に重要なところでしょうね。

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