中大が北村恵吾内野手(3年=近江)の一打で19年秋以来、26度目の優勝へ大きく前進した。

北村が会心の1発を決めた。2回1死から真ん中に入ったカットボールを左翼スタンドへ。「手応えはありました」と、今季2本目のアーチに笑顔を見せた。清水達也監督(56)も「去年からでも出てほしかった選手。やっとチームに貢献する1本が出たね」とたたえた。

「チームに貢献する」という強い気持ちが、北村を逆に空回りさせていた。開幕立正大戦でソロ本塁打を打った後、「チャンスで回ってくると、打ちたい気持ちが強すぎて大振りになっていた」とフォームを崩していた。第4週の2試合は途中出場。「今日はスタメン出場で、何とかチームの勝利に貢献したい。結果を残したかった」と冷静に打席に立ち、狙いを定めた。「今日の1勝は自信がつく。もっと勢いがつく1本が打てるように。今後の課題にしたいと思います」と力を込めた。

投げては2年生右腕、石田裕太郎投手(2年=静清)が6回を2安打無失点。2四球7三振と粘り強い投球をみせた。チームは開幕から5カードを終え首位。来週は空き週になる。清水監督は「もう1回しっかり見つめ直して、1つ1つとっていきたい」と話した。

敗れた駒大は優勝の可能性が消えた。

▽駒大・大倉孝一監督(打線は4安打、投手陣は11四死球の乱調に)「残り4試合、投手は自分の特徴を出せる準備を、打者は食らいついていく。基本をもう1回、徹底するしかない」