巨人高橋優貴投手(24)が7回1失点の好投も、球団日本人では1936年秋の沢村栄治以来2人目となる開幕6戦6勝とはならなかった。

「あれだけ(報道で)出ていれば意識はします。その中である程度試合もつくれたというのはまた今後の自信にして、次、しっかり勝ちきれるように準備できればなと思います」と次戦を見据えた。

ピンチを背負っても粘った。3回、先頭のクロンに初安打を許し、2死二塁から連続四球で満塁のピンチを背負った。打席に鈴木誠を迎えたが、フルカウントから145キロの内角直球で空振り三振。「あそこは真っすぐでいくしかないと思っていたので、いい結果につながったので良かったと思います」とうなずいた。

この日は得点圏に走者を置いた状態で打者8人と対戦したが、5回1死三塁、投手床田の犠飛による1失点だけ。安打は許さず得点圏の被打率は0割5分7厘となった。宮本投手チーフコーチは「昔の江川卓さんがよくやっていた、ランナーが出ると『ギューン』といくようなね。何かこう、めりはりのあるピッチングだったと思います」とたたえた。

右打者への攻めの投球も貫いた。右打者20人と対戦したが、うち14人に初球で内角を突いた。外角へ逃げていく決め球スクリューがあるため、初球で内角を意識させれば打者は踏み込みにくくなる。昨季、被打率2割7分3厘だった右打者を、今季は1割6分7厘と抑え込んでいる。

開幕からの6戦6勝こそ逃したが、勝ち負け付かず、連勝は継続中。5勝はリーグトップタイで、防御率1・71もトップのままだ。好調の要因について高橋は「技術的にすごく何が変わったという訳ではないですけど、『絶対に打たれないんだ』という気持ちの中で投げています。去年何もできていないので『今年こそは』という思いが強い。それがいい方向につながっていると思います」と言った。昨季、左肘痛の影響で1勝に終わった左腕は強い気持ちを原動力に今季に臨んでいる。【久永壮真】

 

▽巨人炭谷(高橋を好リードし、4回1死一、二塁、今季15打席目での初安打が先制打)「よく持ちこたえて、ピンチを作りながらも粘り強く投げてくれた。個人的に1本出てほっとしています」

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