「伝統の一戦」が、15日の試合で通算2000回目を迎える。1934年(昭9)創設の巨人と35年創設の阪神は、日本野球界における「永遠のライバル」として幾多の名勝負を繰り広げてきた。対戦成績は巨人の1093勝834敗71分けで、今季は3勝3敗と伯仲している。首位阪神と2位巨人のゲーム差は3・5。14日からの巨人阪神3連戦(東京ドーム)の第2戦で迎える節目の一戦を前に、両球団の歴代キャップ8人の「マイ ベスト 伝統の一戦」をはじめ、日刊スポーツが選出した名場面をお届けします。(記録は2021年5月11日現在)

◆01年8月29日(甲子園)

夫人の脱税問題に揺れ、野村監督が辞任した年。開幕からチームは低空飛行。連日、当時のキャップから「○○の自宅を張り込んでくれ」と電鉄本社や球団首脳への夜討ち朝駆けを命じられ、試合の原稿を書いたのは数えるほどだった。それがこの夜は、ブレーク目前の井川が完封。決勝ソロを放った広沢が「みなさん、一緒に歌いましょう!」とお立ち台で六甲おろしを熱唱。異様な盛り上がりだった。この勝利で47勝63敗1分け。もちろん最下位。それでもスタンドには4万8000人の観衆が集まった。どんなに弱くても、巨人には負けるな-。暗黒時代の「伝統の一戦」に、虎党の熱量を感じた。【10~12年、17年・田口真一郎】

巨人-阪神15日に通算2000試合 歴代キャップのベストゲーム―>