広島小園海斗内野手(20)が、決勝打を含む3打点と奮闘し、チームの快勝に大きく貢献した。

DeNA戦に「7番遊撃」で先発。2回無死二、三塁から右前への適時打で、チームに22イニングぶりの得点をもたらした。7回には左犠飛で追加点。小園の活躍が光り、11安打9得点の快勝。得点力不足に嘆いていたチームに、ホープが勢いをもたらした。

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小園が一振りで暗雲を切り裂いた。両軍無得点の2回、先頭の西川が一塁手ソトの失策で出塁。続く安部は二塁にゴロを放つも、セカンド牧が悪送球して無死二、三塁に。そのチャンスで、小園はロメロの甘く入った初球のチェンジアップをたたいた。打球は定位置だった一、二塁間を破り、右前へ。三塁走者の西川が生還し、チームに22イニングぶりの得点をもたらした。

「守備位置を見ながら内野ゴロでもいいという気持ちで入ることができた。初球から思い切っていった結果抜けてくれて良かった」

試合を通じて勝負強さを発揮した。4点リードの7回1死二、三塁からは、伊勢の外角変化球を左翼にはじき返し、犠飛で2打点目。8回の2死満塁の打席では四球を選び、3打点目を記録した。「後ろにつなぐ、チームのためにという思いでやってます」。下位打線ながら、得点圏打率3割3分3厘と健闘している。

開幕は2軍スタートだったが、4月22日に今季初昇格を果たしてから16試合連続で先発出場。5月は8試合中7試合でヒットを放っており、打率3割4分と好調を維持。要因については「狙い球を絞って、1球1球食らいついていけてる」。また、追い込まれてからノーステップ打法に切り替えるなど、打席での工夫も功を奏している。

小園の先制打を皮切りに、停滞していた打線に火がついた。これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、11安打で9得点。佐々岡監督は「なかなか得点が入らない中で、先制点を取ることができてチームが乗っていけた。(3打点に)本当に良い仕事をしている」と目を細めた。小園は「スタメンで使ってもらえて、チャンスなので。積極的なプレースタイルを貫いて、全力で食らいついていくだけです」。20歳の若武者が、チームを押し上げる。【古財稜明】

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