札幌6大学野球春季リーグで優勝した北海学園大に23日、優勝旗、優勝杯、トロフィー、賞状が授与された。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、第1節終了時でリーグ戦が打ち切り。閉会式、表彰式が行われなかったため、この日、札幌市内の同大グラウンドで代替の授与式を行った。

09年秋以来のリーグ制覇で、春は91年以来。同年以来30年ぶりに全日本大学選手権(6月7日開幕、神宮ほか)に、出場する。初戦は7日に東京ドームで北陸大学連盟の優勝チームと対戦する。30年前、2年生エースだったOBの島崎圭介監督(49)は、初戦で九州共立大に1点差で敗れており「監督として初の全国舞台。現役時代は自分が投げて負けた。何とか、まずは1勝を挙げたい」と79年以来42年ぶりの全国1勝を掲げた。

打率4割1分2厘、5試合制ではリーグ記録タイとなる6打点、3二塁打をマークし最高殊勲選手賞、特別賞、ベストナインを受賞した成田智貴二塁手(4年=東海大札幌)は高校時代、ベンチ入りできたのは2年秋の地区予選だけだった。「高校では不完全燃焼だった。でも、あの悔しさがあったからここまで頑張れた。リーグ優勝に自信を持ちつつ、全国舞台では調子に乗らず、しっかり気持ちの面から準備をしたい」と気を引き締めた。

2勝0敗、防御率1・32で最優秀投手賞を受賞した左腕の帯川瑠生(2年=札幌国際情報)は高校3年の夏、南北海道大会決勝で北照に敗れ、甲子園を逃した。決勝は当時2年生エースだった後輩の原田航介(日体大1年)が完投し、背番号11の帯川は登板の機会がなかった。大学2年で投手陣の軸になり「高校時代は大事な場面でチームに貢献出来なかったが、大学に来て、こうやって役に立てるようになった。先発でも救援でも、任されたところで力を出し切りたい」。高校時代、日の目をみなかった選手たちが、2年ぶりに開催されるひのき舞台で、成長した姿を披露する。【永野高輔】