阪神矢野燿大監督(52)が「全員野球」でセ首位の力をパに見せつける。「日本生命セ・パ交流戦」が25日に開幕。

甲子園に迎えるパ3位のロッテは、163キロ右腕・佐々木朗希投手(19)が3戦目の27日に先発予定で、移籍2年目の鳥谷敬内野手(39)が敵チームとして初めて甲子園に帰ってくる。矢野阪神が注目カードを制し、交流戦も好発進する。

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矢野監督は貯金16、勝率7割の今季の戦い方そのままで交流戦に挑む。「チーム全体で戦うことで相手に勝っていけるというのはある。全員で崩しにいき全員でつなげて最後スアちゃん(スアレス)までつなげる」と、両リーグトップタイ13セーブを挙げる守護神へバトンを渡すまでを、ベンチの全員で作り上げる。4番大山も復帰する強力打線に代打、代走と早めの仕掛けで相手を崩し、岩崎、岩貞ら頼もしいリリーフ陣で白星を重ねる。

就任1年目の19年は6勝10敗2分けと4つも借金をつくった。「個々のレベルが高い選手がパ・リーグは多い。そういう部分では今までそういう(パが優勢な)結果が出ているのはオレももちろん把握している」。豪快な野球にのみ込まれないためにも、相手に合わせず自分たちを貫くことが大事だと考える。

最初の相手はロッテ。両リーグトップ14本の2番打者マーティンや荻野、レアードなど強打者がそろい、元虎戦士鳥谷とも初対戦となる。「バランスがいい。ポテンシャルが高い選手も多い。もっと上にいてもおかしくない」と警戒を強める。3戦目の先発は163キロ右腕・佐々木朗には「見たいし楽しみ。(高校時代に)甲子園では投げていないと思う。テレビやニュースでしか見ていないんで投げてきてくれたら楽しみ」と、球界のスター候補を歓迎した。苦しんだ19年交流戦で勝ち越したのがロッテ、西武だった。その2チームからの6連戦で勢いに乗り、セでは18年ヤクルト以来の交流戦1位を狙う。【石橋隆雄】