西武平良海馬投手(21)が開幕27試合連続無失点で、パ・リーグ記録を更新した。土壇場で追いついて立った9回のマウンド。先頭丸を3球三振にきって落とす。連続安打で1死一、二塁でサヨナラの走者を出しても動じない。亀井を147キロのカットで中飛、中島をこの試合最速156キロの直球で一ゴロに仕留めた。ベテランの代打攻勢を封じ「しっかり準備はできていた。ランナー出してしまい危なかったですが、抑えることができてよかった」と大きな胸をなで下ろした。

初めての東京ドームで、記録を樹立した。生まれも育ちも沖縄・石垣島の海人(うみんちゅ)。野球に没頭し、趣味は釣りだった少年が、初めて花の都・大東京にやってきたのは9年前、まだ12歳の中学1年生のときだった。所属したポニーリーグで全国大会に出場。そのときはまだ外野手だった。「初めての東京はあんまり記憶にないですね。中学のときは練習が厳しくて、たくさん走らされて必死でした」。まさか9年後に、パ・リーグの歴史に名を刻むとは、想像もしていなかった。

東京五輪でも侍ジャパン入りが有力視されている最速160キロ右腕。次なるターゲットは、日本記録の31試合連続無失点(16年中日・田島)になる。残り4試合。平良は「連続無失点は意識せず、ただこれからも無失点を続けていくことができるように頑張ります」。無欲で0を刻み続けた先に、東京五輪での大舞台が待っている。【栗田成芳】

 

▼平良が今季初登板から27試合連続無失点。2リーグ制後、開幕からの連続試合無失点記録は16年田島(中日)の31試合があるが、パ・リーグでは12年岡島(ソフトバンク)の26試合を抜く最長記録。