北海道に初の女子硬式野球リーグが誕生する。道内全4チームが参加する第1回北海道女子リーグが27日に開幕する。昨年に発足した全日本女子野球連盟北海道支部が中心となり、実戦機会増のため開催される。これまで試合は、道外チームの招待試合や男子中学生中心の硬式チームとの交流戦などが主だったが、道内チームだけの公式戦で切磋琢磨(せっさたくま)し、全国での上位進出につなげる。

道内女子硬式野球の活性化を目指した大会が生まれる。北海道リーグは当初5月下旬開幕を目指すも、コロナ禍で緊急事態宣言が出されたため、日程を再調整し27日開幕に変更。リーグ立ち上げの中心になった全日本女子野球連盟北海道支部事務局では「これを機会に女子選手が、よりモチベーションを高めてくれたら」。クラブチームのホーネッツ・レディース、札幌国際大、札幌新陽高、駒大苫小牧高と、道内の女子4チームすべてが初代女王目指し、競い合う。

昨年、同支部が発足。中心となってリーグ実施の構想を練ってきた。19年まではホーネッツ・レディースと札幌新陽高の2チームしかなかったが、昨年、札幌国際大と駒大苫小牧高に誕生。同事務局では「これまではチームが少なくできなかったが、4チームに増えたことで何かできないかと、話を進めてきた」と説明した。

機は熟した。19年全国高校選手権4強に進出した札幌新陽高の複数OGが、昨春創部の札幌国際大に進学し競技を続行。同じく昨春発足の駒大苫小牧高は今春、初の公式戦となった全国高校選抜で初陣を飾った。ホーネッツ・レディースは今春、札幌新陽高前監督の石井宏氏(57)をGMに迎え、練習場所の固定化を図り喜茂別町と連携協定を結ぶなど、環境改善にまい進中だ。各チームが精力的に活動しており、公式戦を増やし、道内女子の改革、強化元年とする。

4チームが1回戦総当たりのリーグ戦は、ベストナインなどの表彰も実施予定。同事務局は「個人賞をつくり名前を残していけるようにしたい。女子はクラブも大学も高校も予選なしで全国に行けてしまう。道内公式戦で気持ちの面もメリハリをつけられたら」。道内ガチンコバトルでレベルを上げ、全国の頂点に立てるチームを育てていく。【永野高輔】

◆女子硬式野球の公式戦 例年8月開催で、05年から始まった全日本選手権が高校、大学、クラブチームの全カテゴリーが集う最高峰の大会。そのほか、クラブチーム日本一を決める全日本クラブ選手権があり、大学は春秋の年2回開催される全国大学選手権、高校は夏の全国高校選手権と春の全国高校選抜がある。リーグ戦形式では、関東の「ヴィーナスリーグ」、関西の「ラッキーリーグ」などが開催されている。