鬼気迫るマウンド上から一変した表情が、復活への手応えを表していた。右肘の違和感で離脱していた巨人菅野智之投手(31)が、日本ハム戦で5月7日ヤクルト戦以来の実戦復帰。2回までに2失点も、乱れ気味だった制球を、回を重ねながら整えた。同学年小林との“スガコバ”バッテリーで5回を90球、3安打2失点。5回で代打を告げられると、穏やかな表情で交代を受け入れた。「初回、不安が少しある中で失点しましたが、修正しながらの投球はできたと思う。次は球数が増えてくると思うので自分の仕事がしっかりとできれば」と振り返った。

現在地を見つめながら、柔軟かつ大胆に右腕を振った。今季は変化を求めてプレートの踏む位置を一塁側に変更していたが、この日は真ん中からやや三塁側に右足をかけた。宮本投手チーフコーチは「理由は聞いていない」と前置きした上で「肘の負担の軽減されるプレートの位置だと思いますね」と推測。こだわりに固執せず、現状のコンディションに耳を傾けながら勝つ投球を追求する、エースの真骨頂を見せた。

菅野は3敗目こそ喫したが、原監督は「球数的には予定通りですね。この次に期待でしょうね」と、うなずいた。打線が4安打2得点に封じられ、今カードの負け越しが決まった。そんな敗戦の中、明るい光が差し込んだ。【浜本卓也】

巨人ニュース一覧はこちらー>