走るのに不安があるなら本塁打を打てばいいじゃない。マリー・アントワネットもびっくりの1発を放ったのは、DeNAの主砲オースティンだ。9日の西武2回戦で左足太もも裏を痛めて、2試合ぶりに4番指名打者で戦列復帰。最初の打席で早速存在をアピールした。

1回2死三塁、カウント3-1から内角に入ってきた日本ハム金子のチェンジアップを捉えた。うまく腕をたたみながら、左翼ポールぎりぎりにライナーで運んだ。得意の決めぜりふ「ヤッタ!!」を口にした後「(三塁走者の)クワ(桑原)をなんとかかえそうと思って打席に向かいました。打った瞬間は入ると思わずに走っていましたが、入ってくれてうれしいです」と先制2ランを喜んだ。

今季13号で交流戦は全カード制覇となる7本目の本塁打だ。既にセ・リーグ5球団からもアーチを放っており、交流戦までに対戦全11球団から本塁打。これは08年ウッズ(中日)13年バレンティン(ヤクルト)16、19年山田哲(ヤクルト)に次いで4人目の快挙となった。2打席目以降は連続四球。交流戦では最多本塁打だけに、警戒度は最大級となっている。【斎藤直樹】

▼オースティンが1回に本塁打を打ち、これで今季対戦した全11球団から本塁打。1シーズンに11球団から本塁打を打ったのは、19年山田哲(ヤクルト)以来16人、19度目で、DeNAでは初めて。交流戦までに達成したのは4人、5度目だが、18試合制になった15年以降では、16、19年の2度達成した山田哲に次いで2人目。