“神の子”の願いが通じた。楽天田中将大投手(32)が今季最多111球6回8安打4失点で自身7戦ぶり、5月1日以来の3勝目。自身の連敗を3で止めた。チームも連敗を7で止め、2位に浮上。「ほっとしたっていうもんじゃないですよ。むちゃくちゃうれしいです」と目尻を下げた。

一転、自身の投球には反省が口をついた。2点の援護をもらった1回に自身14年ぶり2度目のボークで1死二塁とし、栗山の適時打で1点を返された。2回に同点、勝ち越した直後の4回にも逆転を許し「味方の流れを削いでしまうような…。本当に自分の投球が邪魔していたなと思って、ふがいない気持ちでいっぱいでした」。何度も首をかしげ、いらだちを大声にも出した。4回を投げ終えベンチへ戻る際に右拳で2度太ももをたたき、怒りをにじませた。

ただ、勝利への執念は、確実にチームへ伝わっていた。7回、13年の日本一をともにした岡島の逆転打に大喜び。勝ち運の強さから1年目の07年当時の野村監督に「マー君、神の子、不思議な子」と称された。13年の24連勝を含む、12年から前人未踏の28連勝も果たした。見えない力を感じざるを得ない展開で、悪い流れを吹き飛ばした。

8年前にリーグ優勝を決めた一戦以来の所沢での登板で、約1カ月半ぶりの白星が舞い込んだ。「今日は本当助けてもらって勝てたので、気持ちの部分では救われるところがものすごくある。みんなに感謝したいですし、もっと自分が今度はチームを引っ張れるような投球が次はしたい」。“神の子”が、力強く言い切った。【桑原幹久】

楽天石井GM兼監督(3勝目の田中将に)「あれ? 勝ち投手になりましたよね? 今日はただただラッキーボーイだと思います」

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