阪神梅野隆太郎捕手(30)は聖地を「U2ポーズ」で沸かせたが、白星はつかめなかった。

先頭で迎えた6回。奥川からファウルで粘った7球目、内角に来たスライダーを振り抜いた。高々上がった打球はレフトスタンドへ一直線。「ガンケルが本当によく頑張って投げてくれているので、なんとかしたいという気持ちでした」。今季2号ソロに沸く仲間とともに、甲子園で初めて新しい本塁打パフォーマンスを披露した。

午後7時過ぎに5回が終わる投手戦。援護がない中で奮闘を続けるガンケルに報いたい-。女房役として突破口を開いた。

しかし直後の7回、山田に同点ソロ本塁打を許した。梅野は8回にも先頭で中前打を放ったが、後続がつながらず。守護神スアレスが4失点を喫するなど、悔しさの残る夜。甲子園での今季初アーチは空砲となった。

試合前には、オールスターの選手間投票結果が発表され、梅野はファン投票に続いて選出された。「同じプロ野球選手から、選手の目線で選出されたこともすごく光栄ですし、感謝の気持ちでいっぱいです。選出されたことに恥じないプレーを見せられるように頑張りたい」。3度目の球宴へ向け、新たなモチベーションが加わっていた。

チームは72試合を終え、シーズンのちょうど半分を消化。梅野は休養で欠場した1試合をのぞき、70試合でスタメン出場した。扇の要として攻守での奮闘は続く。敗戦は次戦への糧に、頂点を目指して戦い続けるだけだ。【磯綾乃】

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