楽天が巨人から炭谷銀仁朗捕手(33)を金銭トレードで獲得することが4日、分かった。炭谷は18年オフに海外FA権を行使し、西武から巨人に移籍。今季は大城の台頭もあり、出場機会が限られ、主に試合終盤での途中出場で起用されることが多かった。首位オリックスを追う楽天にとっては後半戦への大きな戦力になる。

オリックスを4ゲーム差で追う楽天に頼もしいベテラン捕手が加わる。捕手は今季ここまで67試合に出場している24歳太田が筆頭。27歳下妻、31歳足立、昨季途中に巨人からトレード加入した28歳田中貴が続く。将来性の半面で経験不足は否めない。成長途上の捕手陣に経験豊富な16年目、33歳の炭谷加入の好影響は計り知れない。

捕手陣だけでなくバッテリーとしての相乗効果にも期待できる。西武時代の同僚でもある涌井、岸、牧田の特徴は肌感覚で記憶に残る。配球に加え、互いの性格も含めて、気心知れた仲で、バッテリー形成に支障はない。7勝を挙げるドラフト1位新人の早川をはじめ、粒ぞろいの若手投手育成にも期待はふくらむ。石井GM兼監督が目指す「骨太のチーム」作りへ、短期、中長期的の両面の効果をもたらす存在となる。

巨人にとっても重要な戦力の1人だったことには変わりない。大城が主戦を務めるも、捕手としての経験不足は否めない。炭谷の試合終盤での起用は勝負を決定づける局面で絶対的な安心感をもたらしていた。一方で1軍で捕手3人制を基本とした戦いの中で、岸田、山瀬らの若手捕手をベンチ入りさせることが困難にもなる。中長期的なプランの中で若手捕手の育成面も考慮し、苦渋の決断を下した。

◆炭谷銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)1987年(昭62)7月19日、京都府生まれ。平安(現龍谷大平安)では高校通算48本塁打。05年高校生ドラフト1巡目で西武入団。06年に51年ぶり高卒新人捕手として開幕戦先発出場。18年オフにFA権を行使して巨人入り。15年ベストナイン、12、15年ゴールデングラブ賞。13、17年WBC、15年プレミア12日本代表。18年から日本プロ野球選手会会長。181センチ、98キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億5000万円。