東京五輪の侍ジャパンに内定している広島森下暢仁投手(23)が、驚異の粘り腰で5勝目をつかんだ。

最大のピンチは1点ビハインドの5回。長打、失策、四球で無死満塁となった。だが落ち着いてマルテ、佐藤輝を斬り、続く大山には三遊間への強烈な当たりだったが、林が打球に飛びつく好守で無失点。「林が助けてくれた。みんなが守ってくれているなと実感しました」と胸をなで下ろした。

虎の怪物ルーキーを完璧に抑えた。5番佐藤輝を2回は外角直球で見逃し三振。4回は外角カットボールで空振り三振に仕留め、5回は内攻め追い込み、内角カットボールで3三振を奪った。前回4月14日の対戦は右中間への1発を浴びたが、「内に投げやすいスタンスなので、しっかり投げ切ることができました」と会心のリベンジを決めた。

今季ワーストタイの8安打を浴びながらも、6回3失点と試合をつくった。2年目は先発12試合で、11度のクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以下)と安定感が光る。ただ、3試合連続で初回に失点しており、「初回からもっと流れを作れるような投球をしたい」と引き締めた。球界屈指のゲームメーカーが、チームを4カードぶりの同一カード勝ち越しに導いた。【古財稜明】