「マイナビオールスター2021」に3度目の出場を果たした全セの阪神梅野隆太郎捕手(30)が日刊スポーツに手記を寄せた。「8番捕手」で先発。3点を追う5回無死一塁で反撃の適時三塁打を放った。捕手として、セ・リーグ投手陣の個性に合わせてリードした。「お祭り」のように球宴を心から楽しみつつ、前半戦の戦いを振り返った。

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3度目のオールスター出場となりました。シーズンの前半戦は、タイガース全員で戦う野球をやってきた。今回はお祭りみたいに、ちょっと違う雰囲気で、とにかく率直に楽しむ野球が出来ました。初めて出場した17年は、慣れない環境で分からないことばかりでしたが、今回はいろんな選手と話すことも多くなって、野球以外の会話も楽しみました。

試合では、巨人高橋投手や戸郷投手たちと組ませてもらって、基本的にはピッチャーの一番いいボールを投げさせながら、楽しくリードもさせてもらいました。5回の打席は、自分とチカ(近本)が続く並び。菊池さんが出てくれたので、積極的にいった結果がいい結果になりました。

ファンの方々から投票で選んでいただいた。なんとかいい姿を見せたかったので、1本出すことができて良かった。その後、チカもヒットを打ってくれて、まだまだ行けるとセ・リーグ自体がなったので、それも良かったです。

プロに入って8年目。今年はオールスターに加えて、五輪代表にも選んでいただきました。プロの世界に入った時は、ここまでのことを想像は正直、なにもしてなかった。想像というか…。「積み重ね」で、今に至っていると思います。長いシーズンを戦う上で、エラーすることもあれば、自分の暴投で負けた試合もあります。でも、一線でその経験ができたからこそ成功も出来ている。腹くくってリードすることもあれば、腹くくって打つこともあります。失敗も成功も、このプロ野球の世界では積み重ねることが一番大事だと思っています。

チームもいい時と悪い時がある。今年は勝ちが最初のほうに続いた分、最後のほうにちょっと負けがコロコロって続いて、「なんか、大丈夫か?」みたいな感じになっていると思います。でも、前半しっかりチームとして戦ってきたからこそ、今があります。勝ちが続いて「行け行けどんどん」だった時も、チームが浮かれることはなかったです。変わらず、みんなで言い合っていました。

2位とのゲーム差はもちろん近いし、意識するなって言っても、必然的にしてしまうところはあります。でも後半戦は、自分たちの野球をどうやるか、ということが大事になってくると思う。順位をあまり意識しすぎて、自分たちの野球ができない、自分たちのスタイルを貫けないってなったら、そっちのほうが多分、後悔になると思う。最終的に首位で終えることが僕らの目標であり、達成することが今年のチームのテーマ。今年のチームスローガンにもあるように「超えて」行かないといけないと思います。(阪神タイガース捕手)