侍ジャパンとして東京オリンピック(五輪)で金メダルを獲得した楽天田中将大投手(32)が11日、楽天生命パークで全体練習を行うチームに合流した。

2日の決勝トーナメント初戦米国戦に先発登板し4回途中3失点で降板。7日の決勝米国戦はブルペン待機した。この日はストレッチやキャッチボールなどで軽めの調整。状態面は「全然問題ないです」と練習中も笑顔が見えた。

練習前には金メダルをチームメートらに披露。「重い、すごい、初めて見たといった声はいただきました。チームを離れる時に、イーグルスのみんなに金メダルを持ち帰って来られるように行ってきます、と言った。本当にみんなキラキラしていたので、持って帰って来られてよかったなという思いです」と周囲の反応に喜びをかみしめた。

08年北京五輪には最年少の19歳で出場。今大会は最年長の32歳。1、2年目の選手もそろう投手陣のまとめ役を担った。「できる限り対戦相手、特徴、国際大会での準備の仕方とか自分の知っていること、伝えられる情報というものはできる限り伝えたりはさせていただきましたけど、それが果たして役に立ったかどうかはちょっと分からないですね」と苦笑いしながら、「自分でしっかりと情報を整理して伝えないといけないので、そういう部分では再認識というか、気持ちの持ち方というか、そういうものは整理できたかなと思います」と侍ジャパンでの経験を自身の今後へも生かす。

大会最終日には閉会式にも参加。「プロ野球選手が出ることは初めてだと記事で見ましたが、本当に巡り合わせがよくないと参加できない。一生に1回のチャンスだと思ったので、もう絶対に出たいと思った。出たい人は出ていいよ、という感じだったので『出ます』とすぐに伝えました。一生に1回の経験をしたなと。いい経験をさせてもらいました」と振り返った。

チームは13日西武戦(メットライフドーム)から後半戦をスタートさせる。田中将は「後半戦といっても残りはもう55試合しかない。(五輪で)個人としては思うような結果を残せなかったので、その悔しさも含めて後半戦、シーズン再開からしっかりとその分もぶつけられるように」と言葉に力を込めた。