「大会初王者」の称号を勝ち取る。第1回全日本大学軟式野球選抜大会が22日、長野オリンピックスタジアムなどで開幕する。23日に城西国際大観光学部(埼玉・東関東連盟)との初戦に臨む仙台大(宮城・東北地区連盟)は、主将兼監督の岩渕颯太捕手(3年=塩釜)を中心に、守り勝つ野球で勝ち上がる。東北勢では八戸工大(青森・奥羽地区連盟)と東北学院大(宮城・東北ブロック代表)も参戦する。

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新たな舞台で全国1勝だ! 昨年まで開催されていた東西の日本選手権が廃止となり、今年から各地区の予選やブロック大会を突破した東西30チームが日本一を懸けて戦うこととなった。岩渕は「2年ぶりの全国大会。元気ではつらつとしたプレーを心がけて、東北地区の代表に恥じない行動をしていきたい」と意気込み、まとめ役としてチームを勝利に導く。

昨年10月から主将兼監督となったが、数多くの負担や苦労があった。「同級生にスタメンを決められて納得がいかないという不満が起きてはいけない」。チームの士気を下げないことを強く意識し、仲間との対話を重ねて一体感を強めた。2年連続で大学日本代表に選出された持舘理登(りと)外野手(4年=相馬)は「4年生で残っている自分や後輩たちに気をつかえて、しっかりチーム全体を見ている」と信頼を寄せる。

今大会は磨き上げた堅守を見せつける。6月上旬の地区予選は3戦無失策。東北王座決定戦は2戦2失策と安定した守備で「東北王者」をつかんだ。「不規則な打球やバウンドが軟式野球の醍醐味(だいごみ)だが、無失点に抑えれば負けない」。守備力の底上げを目指し、守備練習はノッカーが打った打球ではなく、打撃練習の“生の打球”の処理を徹底した。

先輩の分も戦い抜く。昨年はコロナ禍で主要の公式戦が相次いで中止に。通常は3年春、秋の公式戦を終えて引退する選手が多いが、1度も公式戦に臨めないまま引退した選手もいた。チームを第一に考える大黒柱は、「(現)4年生には良い報告をしたい。今大会で最後になる選手もいるので、結果よりも良い形で終わりたい。後悔した形で終わらせたくない」と、力強く誓った。【相沢孔志】

○…攻撃の中心の持舘は「試合後に後悔はしたくない。攻撃でも守備でも積極的にプレーしたい」と全国へ気持ちを高めた。大学日本代表に2年連続で選出。チャンスメークが仕事だと自覚している。「ベスト8やベスト4など中途半端ではなく、やるからには1位を目指したい」と意気込んだ。