金メダリストの言葉が、身に染みた。オリックス-西武18回戦は、大正製薬協賛の「ファイト イッパーツ! リポビタンデー」として開催され、04年アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずきさん(43)が始球式に登場した。サウスポーから投じ「練習より上手にできなかった。緊張していましたね。ちょっと悔しいです」と笑みを見せた。

「マラソンとは違うスポーツなんですけど…」と前置きした上で、首位を走るオリックスに対して「緊張感をずっと保つのは難しいと思うんです。しっかりONとOFFを切り替えて1ゲーム1ゲームを大切に頑張ってほしいなと思います」とエールを送った。野口さんは「1試合1試合、120%以上の気持ちで取り組んでいた」と現役時代の熱意も語っていた。

そして8月22日は野口さんにとって記念すべき日だった。「今日8月22日は17年前、金メダルを獲得した日なので(始球式に)すごく有り難いなと思いながら投げました。822をずっと覚えています」。アテネ五輪でつけたゼッケン2282をこの日もつけた。「ナンバーマジックというか。金メダルを取る前から、このゼッケンならいけるかもしれないと思ってました」。並んだ数字を見て吉兆だと思えるのは、日頃の猛練習で自信を深めたから。オリックスも残り50試合、ゴールに向かって1歩ずつ突き進む。【真柴健】