ソフトバンク松田宣浩内野手(38)が、09年以来自身12年ぶりの代打安打で接戦にけりをつけた。同点の8回2死一、二塁という絶好機でロッテ・ハーマンの初球を強振。左越えの2点二塁打とし試合を決めた。連敗を2でストップし、無観客のお立ち台で「自分らしい打球になったと思います」と胸を張った。

不動のサードとして長年レギュラーを張り、14年から20年までは球団2位の815試合に連続出場していた鉄人。代打での出場自体も10年から19年の間は1試合もなかった。今季は打撃の状態がなかなか上がらず、ベンチスタートの試合も増えている。それでも「まずは練習まではしっかりやって、試合10分前のルーティンは出るときも出ないときもやる。そのあとは出番に備える。与えられたところでやるだけなので、変わりはない」と変わらぬ姿勢で、常に準備をしてきた。

ベンチでの姿も変わらない。スタメンであろうがなかろうが、若手よりも声を出して盛り上げる。「ユニホームを着ている以上悔しいというか、出続けたいというのが野球選手というか、人間やと思うんですけど。チームの勝ちというのが一番上に来るのでね」。勝利のために何ができるか、現状のベストを尽くし続ける。

悩めるベテランの一打に工藤監督も「元来、彼は勢いに乗っていくというか、お祭り男的な部分がある選手。これをきっかけに盛り上げてもらえたら」。首位オリックスとのゲーム差も4・5に縮め、3位ロッテとは0・5差。浮上につながる大きな1勝となった。【山本大地】

 

▽ソフトバンク栗原(4回に12号ソロ)「カーター(スチュワート)が頑張っているので、何とか援護したいという気持ちで打席に入りました」

▽ソフトバンク周東(前日は走塁死も、8回に代走で勝ち越しにつながる二盗)「今日は自分の役割を果たし、得点につなげることができて良かったです」

▽ソフトバンク・スチュアート(先発で4回を投げ1失点)「打線のいいロッテに思い切って攻めることができたと思う。4回1失点は満足できませんが、試合を壊すことなく、中継ぎの方につなぐことができたのは良かった」